2017.01.11多様性と寛容性 【園長のひとり言】
明けましておめでとうございます。新たな年を迎えたということで今年の教育・保育のテーマを発表しちゃいます。
今年は「多様性と寛容性」でいきます。
ちょっと抽象的なので、少し補足します。多様性とは子どもたちの行動の多様性のこと。特に遊びのソレにフォーカスして一人ひとりの関心や友だちと共同することで広がる創造をより豊かにする働きかけをしていきたいと思います。もちろん、環境を通して。
その理由は最近、保育業界で流行りとなっている社会情動的スキル(非認知能力)です。もちろん単なるミーハーではなく、このスキルを育むことで子どもたちの将来に積極的な影響を及ぼすことが国際的な研究で分かってきているので重要視しなければなりません。
しかし、これらは認知能力と異なり数値化できず目に見えないから、それをピンポイントで育むのは難しい。まだ、研究され始めたばかりだということもあるしね。
ただ、この能力の育ちと自主的な遊びや生活の相関は明らかになっているので、保育現場としては当然、後者の方に力を入れるということになります。そして園にいる色々な感性をもった子どもたちのそれぞれの自主性、つまり多様性を受け入れていくことに保育者の専門性が問われるのです。
次に寛容性について。これは子どもたちの多様な遊びを保育者が寛容するという意味でもあるのですが、どちらかと言えば子どもどうしのものです。
またまた分かり難いのですが、例えば子どもの自主性とか主体性という言葉を聞くと、どうしても子どもが自由にやりたいことをしているというイメージが付きまといます。本質的にはその通りなのですが、教育という視点に立つと物足りなさを感じる方は少なくないはずです。
でも、「自分のやりたい」を主張するためには「他者のやりたい」も受け入れなければなりません。それ無しに自分だけが、ということになればそれは自主的ではなく利己的です。
だから、意外と子どもにとっては難しい。けれど、もし他者を寛容しながら自己を発揮していくことができたなら自身の感性は更に磨かれていくことでしょう。
あ、もちろん乳児は別ね。保育者によって受け止められる時期で、その体験があってはじめて寛容性を身に着けることができるのだから。
以上、このテーマで教育及び保育の豊かさを追求していきますので、本年もどうぞよろしくお願い致します。