2017.05.08延滞模倣の代表的な行為【園長のひとり言】
久しぶりに晴天に恵まれたゴールデンウィーク。仕事があって参加してはいないのだけれど毎年恒例の浜松まつりは、さぞかし盛り上がったことでしょう。その盛況は、おそらく連休明けの子どもたちの遊びに大きな影響を与えます。特に幼児のソレにね。
この時期の子どもたちは他者の役割にとても興味を持ちます。ままごとに代表される「ごっこ遊び」というやつです。もしかしたら、これらは女の子がよくする遊びというイメージがあるかもしれないけど幼児期には性別関係なく夢中になります。と、言うより、そうなってくれないと困ります。
なぜかと言えば、これが大人の真似からはじまり、その役を演じることで成り立つ非常に高次な遊びだからです。
そもそもマネするという行為は人が成長するための大切な要素であり、大人になると自尊心が邪魔をして、その近道を選べなくなることもあるけど、「学ぶ」の語源が「まねぶ」と言われているくらい不可欠なものなのです。
ここで真似について少しお勉強。専門用語では子どもが真似することを模倣といいますが、これには直接模倣と延滞模倣の2種類があります。
直接模倣とは、1才くらいからし始める行為で目の前にいる大人やお兄ちゃんやお姉ちゃんを見て、その場で真似することを言います。目に見えるお手本をすぐ模倣しながら、新たな行動を身につけていきます。
それに対して延滞模倣は、1歳半くらいから芽生え、3歳頃に本格化してくる行為で具体的に見たものや経験したものを、しばらく時間をおいて場所を変え自分なりのやり方で模倣することを言います。また、この延滞模倣は表象機能とか象徴機能とか言うのですが、頭の中にイメージをつくりあげたり言葉などを使ったりしながら実物を離れ他のもので、それらの表現する能力を発達させていきます。
そして、この延滞模倣の代表的な行為がごっこ遊びなのです。ね、夢中になってくれないと困るでしょ。例えば頭の中にイメージをつくる為は、論理性のある構造を構成しなければならず、また数概念の習得や言語の発達を必要とするので視点を変えば幼児期の子どもにとって、最も力のいる遊びだと言えるのです。
と、言う訳で連休明けに浜松まつりごっこが始まることを楽しみにしています。凧場の模擬店とかね