2008.02.06これからの音楽会【園長のひとり言】
皆さんは音楽会、発表会やお遊戯会という言葉を耳にしたことはありますか?保育園や幼稚園にお子さんを預けたことがある方ならおおよそご存知かと思います。内容は各園によって異なりますが、保護者の方の前で煌びやかな衣装を身にまとった子どもたちが様々な表現をします。そして、何より各保育園や幼稚園側が一年で最も力を入れて行う行事なのです。保育士は来たる本番に向けて、多くの時間をその練習に費やし、子どもたちに教え込んでいきます。これが、この行事のスタンダードです。なごみの森の音楽会も一応このスタンダードに則っています。
しかし、私たちは毎年のように考えます。この音楽会をどうすれば、子どもたちにとってより豊かなものとなっていくかを。それは、このスタンダードから脱却することを意味します。何故?と思われるかもしれません。ですが、このようなやり方では、どうしても音楽会自体が大人の思いを子どもに押し付けるだけの「やらせ」になってしまうのです。
私たちは、子どもたちの保育園での日々、一日、一日を何より大切にしています。生活から遊びまで、子どもたちを取り囲む日常的な環境を豊かにすること。それが、私たちの保育において最も大切なことだと信じています。だからこそ、行事を目的として日常生活を犠牲にしたくないのです。むしろ逆に、行事が普段の生活に出来る限り寄り添ったものでなければならないと考えています。例えば、音楽会のために歌を練習し覚えさせるのではなく、普段子どもたちが大好きで歌っている歌を音楽会で表現する。子どもたちの興味、意欲そして発達を十分考慮し、出来るだけ子どもが主体的に(自ら進んで)行える行事。私たちは、そんな理想を掲げて音楽会を考えてきました。まだまだ発展途上ですが・・・
だから、もしかしたら他の保育園や幼稚園での発表会や音楽会より地味に見えるかもしれません。ですが、あくまでも子どもが主体なのです。そして、子どもの主体性が深まれば深まるほどなごみの森の音楽会が、より豊かなものになっていくのです。