2020.02.01おさらい【園長のひとり言】
おさらいです。なごみの保育にはこだわりがあります。何度もお伝えしているので聞き飽きている方も多いかもしれませんが大切なので何度でもお伝えしちゃいます。
なごみの保育のこだわり。それは、個別性を高めるということ。教育・保育理念にある「一人ひとりを大切に」ってやつです。
なぜ、それにこだわり続けるのか。それは乳幼児期の育ちが将来にわたって大きな影響をもたらすからです。ただ、この理由だと漠然としてしまうので、もう少し論理的に具体性をもって説明したいと思います。
個別性を高めた保育。これを0歳から6歳までを一体的にとらえてしまうと分かり難くなってしまうので便宜的に0歳から2歳くらいの乳児期と3歳以上の幼児期を別々に考えます。
まず乳児期における保育の個別性について。これは、それぞれの子どもの発達はもちろん生理的欲求や生活時間、興味関心に保育者が応えるのと同時に、それらを満たす環境を創造することです。
特に環境の構成の仕方はとても重要。と、言うのも、こども園や保育園には職員の配置基準が法律で定められていて、0歳児だったら3人に対して1人、1歳児と2歳児は6人に対して1人の保育士配置しかできません。若干の上乗せは可能ですが、ほぼほぼこの基準通りでしか保育ができない制度となっています。
ただ、これらの基準で個別性にこだわるのは正直に言えばキツイ。だから、ここで環境の力をかりることになります。例えば、赤ちゃんのお昼ご飯を家庭での起床時間や朝食の時間を考慮して個別でおこうとき。配置基準が3対1なのに1対1で食事するわけですから他の2人をどうするのかという課題にぶつかってしまいます。
が、それを可能にするのが保育環境というわけです。食事をしていない2人の赤ちゃんが保育者の関りなしでも安定して過ごせるような状況、つまり満足して遊べる環境をつくりだすことで、1対1で食事することができるようになるのです。1歳児も2歳児も同じ。子どもたちの発達によって、同時に食事をする人数は徐々に増えます(1歳児は1対1~1対3、2歳児は1対3~1対6程度)が、いずれにしても食事している子ども以外が安定して過ごせていないと個別の対応はできません。
こうして環境の力をかりて個別性を高めていきます。そして、このような関りは生理的な欲求を適切に満たすだけでなく幼児期に必要な育ち、例えば自信とか自己肯定感、積極性など心理的発達をも同時に育むことになるのです。もちろん自立して遊んでいる側も手指などの身体を発達させていきます。
では次に幼児期の保育の個別性について、と言いたいところですが申し訳ありません。余白の関係で来月にしておきます。