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2008.12.12ことばを書くということ~後編~ 【園長のひとり言】

寒さが厳しさを増すとともに今年も残り僅かとなりました。冬の楽しみは、やっぱりお鍋。いつも無難にキムチ派の私ですが、今年はやっぱり流行?のカレー鍋にチャレンジしてみようと思っています・・・そんな話はさておき、さっそく先月の続きです。今年最後のなごみなので少し張り切って書き過ぎてしまいました。長いですけどお付き合い下さい。
文字の教育を考えるときは、「話しことば」と「書きことば」の2種類のことばの発達に配慮します。「話しことば」が生活と密接に結びついて音節や文法上の規則を自然に習得して無意識的に正しく使えるようになるのに対して、「書きことば」は、「話しことば」の単なる書き写しではないので、それとは異なる特徴があり、違う道を通って育ちます・・・と、ここまでは先月説明した通りです。
では、「書きことば」とは何か?それを明らかにするためには、「話しことば」との違いに注目する必要があります。ポイントは3つ。1つ目は、「書きことば」は「話しことば」と違って音をともなわないことばであること。2つ目に、<会話している姿を思い浮かべながら読んで下さい>「話しことば」が相手を特定して使うことばであるのに対して、「書きことば」は相手を特定しないことばであること。もっと言えば、相手を決めないということは、より一般性を求められる、つまり誰もが分かることを最大限に目指したことばであるということです。ひらがなの「あ」は誰が見ても分かる「あ」を書かなくてはその意味をなしません。そして、3つ目の相違点。これが「話すこと」と「書くこと」の間に発達の差を生んでいるのですが、「書きことば」は前述したように「話しことば」から音と対象(話し相手)という具体的なものを取り除いているという特徴から自らの動機で、子どもはその必要性を感じることがないのです。だから、当然子どもは「書きことば」を自然に習得してくことはありません。ここに幼児に対する文字教育の難しさがあります。
もし、子どもが興味を持っていないにも関わらず、無理やり文字を教えようとしたら・・・幼い頃の言われてやった(言われなくてもやっていたらごめんなさい)漢字の書き取りを思い出してください。それは、大人に言われるがままの機械的な作業になってしまい、文字を書くことが嫌いになる恐れがあります。だからと言って、文字を教えることを否定し育ちや生活のなりゆきにまかせて、子どもが自然に興味を持つまで待ち続けるような誤った子ども中心主義に陥ることも避けなければなりません。
では、強制的にならず、かつ誤った子ども中心主義にならないで文字の教育をするためにはどうすれば良いのでしょうか。答えは、簡単です。文字を知りたいという自然に発生しない動機を自然に発生させれば良いのです。例えば、先月バザーでやったミニ喫茶。ミニ喫茶では、子どもはお客さんから注文を聞きメモをし、それを伝えなければなりません。そして、ミニ喫茶はその日だけで終わらず、その後も子どもたちは、毎日のように「書きことば」を使いながら喫茶店ごっこをして遊んでいます。このミニ喫茶の店員役や日常的な遊びへの繋がりは、大人の無理強いによるものでなく、子どもの自ら文字を書きたいという意欲に支えられています。これが、『子どもの生活のなかに、読み書きを必要とするような具体的な状況を創りだし、非自然発生的な文字に対する興味を自然的に発生させる』なごみ保育園の文字教育スタイルです。
文字の教育するうえで私たちが大切していること。それは、早くから「ひらがな」や「カタカナ」を教え込むことではなく、文章を読み解く力や言葉でしっかりと表現する力に繋がる意欲を育てながら子どもたちが文字を身につけていくことなのです。識字率99.8%の日本には小学校を卒業するとき「ひらがな」や「カタカナ」を読み書きできない子どもは、ほとんどいないのですから。

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