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2022.12.10しつけと虐待の非連続性【園長のひとり言】

先月の続き。と、言いたいところですが今回は県内の保育圏でおきた虐待事件について少し触れておきます。情報がメディアベースだから憶測でものを言うべきではないのですが、虐待行為が常態化していた可能性は高いと思います。いつからかは分かりませんが、もしそれが特定の保育士による突発的な行為だったとしたら、とっくに問題化されているはず。例外なく認可保育園には虐待の防止が義務づけられていて、それらの具体的な取り組み内容を書面化しなければなりません。だから虐待行為を黙認する風土が、そこになければ複数の保育士による複数の虐待行為はおこりません。

で、深刻というか保育業界としては、とても残念なことに程度の差はあれ同じような園が他にもあるかもしれないということです。

特に、子どもの発達を無視して小学校の予備校みたいなことをしている、つまり過度な早期教育に力をいれている園には要注意。年齢的にできないことや興味を持たないことを、させようとすると方法は限られるから。

それから怪しい園の特徴として、保育士が毎年のようにコロコロと入れ替わります。当たり前のことですが保育者は関わった子ともたちに対して深い愛情を抱くものです。それを捨てて退職すると言うことは、そこによっぽどの理由があるはずです。雇用の流動性がそれほど高くない地方なら、なおさら。もちろん引っ越しや家庭の事情といったやむを得ない事由の離職はあります。が、それらの事由が頻発し続けるとは考えにくい…。

最後に虐待の言い訳として、「しつけ」の行き過ぎで...というのがあるけれど、「しつけ」や「教育」と虐待は非連続的であることに注意してください。つまり、「しつけ」が行き過ぎても虐待にはならないってこと。だから、身体的な暴力などは論外ですが子どもの自尊心を傷つけることをプロは「しつけ」とか「教育」と言ったりしません。例えば「何度言ったら分かるの」とか「どうしてできないの」とか、感情のあまり口にしてしまいそうな言葉ですが、養育者は「しつけ」のつもりでも子どもからしたら「あなたは何度言っても分からない子」、「どうしても、できない子」という烙印を押されているのと同じです。

いずれにしても今回の件では、監督官庁だけでなく捜査当局の介入もあるらしいので、これを機に保育園や幼稚園、こども園から虐待が根絶されることを願います。もし心当たりある園や保育士さんがいたら、残念ながら震えて眠って下さい。捜査の手は明日にも及ぶかもしれません。償うことなしに過去の罪は消せないもの、です。

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