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2009.03.04花見月の別れ【園長のひとり言】

花見月。抗うことができない時の流れのなかで、この世界が永遠に続くことを願います。ともに過ごした時間だけ、寂しさを募らせる人との別れ。相手が子どもであろうと同じことです。今回は、目前に迫った卒園式に、もっとも寂しい思いをするだろうある保育士の話をしましょう。
今から遡ること3年前。開園と同時に彼女は、幼児のクラス担任として15人の子どもたちと出会いました。子どもの生活に寄り添いながら楽しく保育する。まさに子どもが大好きな彼女にとって夢のような職業だった・・・はずが、彼女を待ち受けていたのは、それと正反対の日々でした。家庭と違う環境に戸惑い、親もと離れた寂しさから不安定になる子どもたち。トラブルが絶えず、どんなに思いを込めても子どもたちへ届かない自分の言葉に頭を悩ませていきます。
普通、保育園というところは、多くの子どもたちが乳児のころから入園し、幼児ともなれば少なからず保育者という大人や保育園という環境に慣れているものです。が、開園したての保育園ではそうはいきません。想像してみてください彼女が直面した初めて出会う30人の不安定な子どもたちを。いくら保育士であっても信頼関係なしには保育することなどできません。
ゆく先の見えない苦しい日々が始まり、仕事中、仕事が終わってから、休みの日、頭のなかは、いつも子どもたちのことでいっぱい。朝がやってくることが怖くて眠れない夜もありました。どんなに割り引いて見ても楽しいとは言えなかったでしょう。けれど、彼女は絶対に弱音をはきませんでした。心配で声を掛けると、いつも決まって「大丈夫です」という言葉が返ってきたことを思い出します。
そんな日々を繰り返しながらも彼女は、素通りしてく自分の想いを届けようと熱心に子どもたちと向き合います。そして、半年が過ぎたころ、ぎくしゃくしていた関係や今までうまくいかなかったことが、少しずつ好転していきます。子どもたちの気持ちを受け止め、子どもたちが彼女の想いを受け入れる。単純だけど、この繰り返しが豊かな人間関係を築き始めたのです。一日、一日。半年より1年、1年目より2年目とゆっくりですが着実に縮まっていく彼女と子どもたちの距離。
そして3年目を迎えた今、その関係は深い絆となりました。出会ったころ自分のことすら満足にできなかった子どもたちは、5歳になり、自分のことだけでなく困っている友だちを助けてくれます。保育者の手伝いも進んでしてくれるようになりました。褒めることば。励ますことば。叱ることば。彼女のひと言、ひと言が子どもたちの心に響きます。反対に彼女も多くことを子どもたちから学び、教えられてきました。
子どもと一緒に育ったこの3年間。今、彼女は間違いなく子どもたちにとって世界一の素敵な保育者になりました。彼女の代わりは誰にもできません。そして、間もなく彼女と15人の子どもたちのいつもの日々が終わろうとしています。未来に向かって新しい世界へ巣立っていく子どもたちとこれからも子どもの幸せを願い保育していく彼女。重ねた時間の長さが別れを辛くします。けれども、少し立ち止まって振り返れば、そこにはともに過ごしたかけがえのない日々と強く結ばれた絆があります。それに、いつまでもお互いの心に残り続けるはずです。大切な宝物として。

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