2023.10.01夏祭りの奇跡【園長のひとり言】
秋の始まりを感じる今日この頃だけど、少しだけ夏の思い出をお話します。それは3年ぶりに大規模でおこなった夏祭りでのこと。
あの時、大規模開催で人不足に頭を悩ませていました。職員だけでお祭りの準備や運営は少し厳しいな、と。
そこで、お父さんたちにSOS。主にテント設営等の力仕事をお手伝いしてもらい大変助かっちゃいました。でも実は、保護者以外にもお手伝いを依頼していて、その対象は卒園児で中学生や高校生になった子どもたち。
現役で、なごみ倶楽部(学童保育)を利用している児童の中に、中学生や高校生の兄弟がいる家庭が5組あって、そこへボランティアを募集することにしました。内心は、卒園してかなり月日が経っているから2,3名が手伝いにきてくれたらな、と考えていました。
でも結果は、ナント40人を超える子どもたちが手を挙げてくれ、下は中学1年生から上は20歳の大学生や社会人まで参加してくれたのです。たった5組の家庭へ募集案内をしただけなのに、子ども同士が呼びかけあったり、保護者同士で情報を共有してくれたりしたことで思いがけないほど、多くの卒園児が顔を揃えることになったのです。
当日は夜店の開店準備や運営、終わった後の片づけまでしっかりとお手伝い。乳幼児期にやんちゃだった...もとい、いっぱい手を掛けた子が張り切ってボランティアする姿は感慨深いものがありました。
そして、思います。この子たちにとって、なごみこども園やなごみ倶楽部は単なる成長の通過点でなかったと、ね。
保育や教育に正解を見つけるのは、結果や成果が見えにくいから難しい。それでも卒園して5年、10年経って戻ってきてくれる子どもの姿に触れて改めて感じます。この子たちにとってココでの日々は単なる幼き頃の思い出ではなく、もしかしたらアイデンティティそのものかもしれない、と。つまり、今の自分を形づくる一部となっているということ。そうだとすれば、私たちの保育には確かな価値があり、だからこそ真剣に子どもたちと向き合わなければならないのです。