2009.08.04change【園長のひとり言】
夏の夜を彩る花火。今年は不況の影響で花火大会が相次いで縮小や中止の方向へ。毎年当たり前のようにあった夏の伝統行事だけに寂しさが募ります。ただ、良かれ悪しかれ私たちを取り巻く世界は常に変化を繰り返すものです。物質、文化、社会、経済、そして人の気持ち、永遠に同じ状態にあることはありません。全ては変わるという事実を除いて全て変化するのです。けれども、多くの場合その変化は複雑な要因のもとに起こっているので、『鉄が錆びる』というような単純に理由を導きだせるものばかりではありません。だから、様々な変化に直面したとき人は悩み、考え、あらゆる角度から焦点をあてて、その変化を理解し、そして対応しようとします。いえ、対応しなければならないのです。
それは、私たち保育の分野にも言えることです。近年子どもの育ちが変わってきたとよく言われます。実際、変わってきています。それが世の常ですから。ただ、その時引き合いに出されるのは過去の子どもや社会の姿、まるで過去が良くて今が悪化しているように言われます。けれども、悪く変化したことはあるでしょうが、反対により良く変化してきたこともたくさんあるわけで、単純に過去と今を比較するのでは意味がありません。確かに過去から学ぶことは大切です。でもそれ以上に、子どもの育ちやそれを取り巻く環境が様々な要因で複雑に変化しているという事実のなかで、子どもの幸せな未来に向けて私たちに何ができるのかということを考え実行していくことこそ必要なのです。