2009.12.28人に優しく・・・。【園長のひとり言】
街並みを彩っていた赤と緑の装飾がいつのまにか姿を消して、新たな年がやってきます。今年はどんな一年だったのか、来年はどのような年にしたいのか個人的なことはさておき、保育業界は制度改革の波にのまれて色々な意味で大変な年を迎えそうです。世の中が不況で苦しむなか、しかたがないかもしれないけれど悠久のあいだ繰り返されてきた子どもを産み育てるという尊いおこないに未だ価値が定まっていないのは何だか不思議な感じです。
新しい政府の社会全体で子どもを育てるというマニュフェストの目玉である子ども手当さえ財源確保に困窮し不透明な状況。さすがの幹事長も打ち出の小槌は持っていないご様子でどうなることやら。いざ開けてみたら今までの控除が現金給付に変わるだけなんて結果もおおいにありえます。
けれど、そんな間にも、少子化はどんどん進んでいきます。もし、今のタイミングをのがしたら社会システムを維持できないくらいかなり深刻な、というより回復不可能な状況になってしまいます。第二次ベビーブーム世代以降の人口は下り坂をたどる一途ですから。それに、先日内閣府がまとめた男女共同参画に関する世論調査で結婚しても必ずしも子どもを持つ必要はないと考える人が42・8%(男性が38・7%、女性が46・4%)に上ることが分かりました。ちなみに、年齢別では、20代が63%、30代が59%と高く、若い世代ほど子どもを持つことにこだわらない傾向が顕著になりました。
日本はどこに向かっていくのでしょうか。800兆円を超えるといわれる膨大な借金を未来に残し、でもそれを将来背負ってくれる子どもたちがいない・・・。経済は大切ですが、いつの時代も子どもや子育てをしている家庭こそ大切にされるべきです。子育て観は、そのときの社会事情に左右されど、世代を重ねて受け継がれていくものだから。