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2010.02.02生活を、生活で、生活へ【園長のひとりごと】

「子どもの生活を、生活で、生活へ」。大正期から昭和30年頃までにかけて、日本の幼児教育の指導者として活躍した倉橋惣三さんが残した言葉です。タイトルに脳のつく書籍が、この5年間で3000冊以上出版される空前の脳科学ブームにあるこのご時世に聞くと、かえって新鮮さを感じます。脳科学には新たな可能性を感じますが、結論ありきでそれらを拡大解釈して利用している感が否めません。「3歳児神話」などもそのひとつ。神の領域に触れるより、目の前の子どもの姿をしっかりと受けとめていくほうがよっぽど大切な気がします。
さて、今回は子どもの想像のはなし。私がときどき保育業界の会合で保育環境の話をすると、必ずと言っていいほど意見されることがあります。それは、子どもの遊び道具、つまりおもちゃについて。要は、たくさんのおもちゃがなくても子どもは自分で考えて遊ぶことができる。そして、何もないなかから想像してこそ本当の想像力が養われると言うことらしい。特に、ものがなかった昔のことをよく知っている人たちはそう言います。そんなとき、いつも心のなかでこう思います。「子どもは小さな大人ではない」と小心者ですから・・・。それに大先輩には敬意をはらわないといけません。
確かに、私たちが想像力を働かせるとき、多くの場合頭のなかだけでおこないます。前頭葉を使ってね(笑)。でも、想像力が芽生え始める幼児期くらいの子どもを見ていると、子どもの想像には、私たちのそれと違い、必ずそこに行為、行動をともなっていることが分かります。
例えば、お腹が減ったとき、和食か洋食か、それとも中華しようか私たちは食べる、食べに行く前から考えます。でも、子どもは目の前で色々料理が並んでいて実際にとって食べられる状態にないと何を食べようか考えません。何を食べたいか聞けば答えはしますが、自ら考えることはあまりありません。だから、美味しいパスタの店よりファミレスを好みますし、バイキングなどは堪らないのです。少し話が飛躍しすぎかな!?
けれど、本質的には大人と子どもとでは想像のしかたにこのような違いがあります。だ・か・ら、豊かなものの存在が大切なのです。戦後本当にものがない時代はしょうがなかったとして、さまざまな大きさ、形、色、素材、用途のものは、行為をともなった想像である遊びをより豊かにします。遊ぶ前から計画的にこれをしようと考えている子どもはいません。遊んでいるなかで「ここを、こうしよう」とか「次は、こうだ」など考えを膨らませていくのです。バーチャルではなく、実際の経験が大切だという理由がここにあります。
生活を、生活で、生活へ。日常の豊かな生活体験や遊びこそが、子どもの新たな生活をつくりだしていくのです。

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