2011.01.01社会のためにできること【園長のひとり言】
赤と緑の色彩が、街から姿を消すころ新たな年がやってきます。来年のことを言うと鬼に笑われそうなので今年を少し振り返ってみると、やっぱり「坂本龍馬」。完全に大河ドラマの影響で。
幕末、天保6年11月15日(1836年1月3日)から始まり慶応3年11月15日(1867年12月10日)、近江屋でその生涯を終えるまでの31年間。脱藩、亀山社中結成、薩長同盟の斡旋、大政奉還と歴史に疎い私には、どこまでそれらに彼が深く関与したかは分かりませんが、少なくとも自分のためよりも、みんなのためにその生涯を奉げた志は確かだっただろうと思います。小説やドラマなど様々なメディアの影響はあるけれど、いまだもって多くの人に愛されているのはその証。
だから、私がもっとも、あのドラマで感動したシーンは、京都見回り組が近江屋を襲撃、今井信郎に斬られた後の(本当は即死だったそうですが)、福山雅治さん演じる坂本龍馬と中岡慎太郎の最後のやりとり。
『中岡、わしはこの命を使い切れたがかえ?』(龍)
『何を言うがじゃ。おまんはまだまだ、まだまだー』(中)
『そうかえ』ふっと笑う、龍馬。『そうかえ、まだ、まだまだかえ・・・そうじゃのう』(龍)
死を目の前にして、自分の命が使いきれたかを問う龍馬。もちろん社会のために。
人は生まれ、育まれている間、つまり子ども時代は、懸命に自分のため生きようとします。でも、少しずつ大人になるにしたがって、自己のためだけではなく、他者のために自分は何ができるのかを考えなければいけないのかもしれません。それは身近な家族や友だちから始まり、より大きな社会へとむかっていきます。私たちで言えば子どもたちのために何ができるのか。そして子育てを通して社会に何ができるのかということ。保育している小さな命こそが、これからの未来を担っていくのですから。