2011.08.01育ちの掟 【園長のひとり言】
育ちの掟。子どもの育ちには共通することがいくつかあります。その中で代表的なものを5つ(発達の原理)ご紹介します。もちろん例外はありますが、これを覚えておくと、少しだけ子育てにお役に立つかもしれません。だた、テストには出ないので気楽に流して頂いても大丈夫です。
それでは、掟その1。育ちには順番がある(順序性)ということです。当たり前ですが、首がすわる前に歩行する子どもはいませんよね。それぞれ成長の速度には個人差がありますが順番は同じなのです。例えば、言葉の育ちの順番を示すとこうです。「喃語(なんご) → 一語 → 二語 → 多語」
掟その2。育ちは一定の方向に向かっていきます(方向性)。これは、少々分かり難いですが、掟その1の順序性と深く関係していて、例えば、子どもの体は上から下へ、体の中心から抹消に向かって発達していくということです。上から下へとは、頭から脚の方に向かって発達していくということ。体の中心から抹消とは胴体→肩→腕→手首→指先というような感じです。寝返りをしたり、腕を振り回したりするようになってから、手のひら全体を使って、物をつかめるようになり、やがて親指と人差し指で小さなものを、つまめるというわけです。だから、なごみ保育園でお箸を持つのは5歳くらいからなのです、実は。
では、次に掟その3。育ちは大人になるまでずっと繋がっていますが、その速度は一定ではなく、年齢や身体の部分によって違う(速度の多様性)ということです。例えば、神経なんかは生まれてすぐ急激に発育しはじめ、4・5歳までに成人の80%に、6歳で90%くらいまで発達してしまいす。
段々疲れてきましたね。あと二つです。掟その4。子どもはある時期、特定の要素に敏感に反応し、集中して これと関わりを持とうする特性があります。これを敏感期(感受期)といいますが、1歳や2歳くらいの子どもは並べたり、積んだりすることを楽しみますよね。これは、秩序というもの敏感になっている証なのです。
最後の掟その5は、体の各部分が互いに作用しあって育っていくというのがひとつ。もう一つは、生活している環境(人やもの)から色々な刺激を受けながら互いに影響しあって育つということです。これを相互作用と言います。例えば、赤ちゃんが歩行し始めて手が自由になり指さしをするようになると「あ」とか「う」と言葉がでるようになるとか、お母さんが子どもに微笑みかけると子どもも笑顔になり、それを見たお母さんが、また嬉しい気持ちになる、とこんな具合に、です。
少し長くなりましたが簡単に説明するとこんな感じ。近頃こういうことを無視してとにかく早く、上手に、たくさんできたら凄い、というような風潮があるので読み難いとは思いましたが理屈をこねてみました。
それから、文字数に制限があったので簡単にしか書けませんでしたが、各年齢の詳しいものをお知りなりたいかたは担任までお気軽にお尋ねください、ね。