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ある大学の教授が言った。子どもが生まれてくるのは鼻を垂らすため、だとね。私も、そう思います。
よく子どもは未来の宝だとか日本の未来とか言うけれど、１０００兆円を超える借金やパンク寸前の社会保障費、そして低迷を続ける経済の状況から導き出される我が国の将来は、けっして明るいものではありません。今のままでは、です。
そして、そんなものを背負うために大人になりたい子どもは、絶対にいません。もちろん、そういった要素が現実としてあることは否定しないけれど、ただの割り勘要員では断じてないはず。
だって子どもは、鼻を垂らすために生まれてきたのだから。つまり、それは子ども時代をいきいきと楽しむということ。大人の深い愛情に守られながら、です。
たくさんのわがままとやりたい放題の毎日。ときどきは叱られてシュンっとなるけれど、すぐに立ち直り自分の世界を満喫。この繰り返し。そう。大人からすれば誰のおかげって言いたくなるような、このバラ色の生活が待っているからこそ、子どもは生まれてくるのです。これらが許されるような愛くるしい、その姿でね。
そして、その日常をより豊かに、とか文化的にという味付けをするのが私たち保育者の役目。生活や遊びの環境を大切にするというのは、そういうこと。
そんな煌めく毎日を通りすぎることで、やっと人は大人になれるのです。だって、大人になるということは、子ども時代を卒業したそのときに、今度は自分の番として、むかしむかし鼻を垂らしながら過ごした豊かな日々を次の世代へと手渡していくことなのだから。