2011.12.28たぶん今年最後のご挨拶【園長のひとり言】
今年も残りわずかとなりました。新たな年に願うのは今までの経験に創意を重ねた、さらなる子どもにとって最高の保育のかたち。ご家庭と一緒になって、一人ひとりのその子のために、を考えることで見つかる小さな幸せを丁寧に紡ぎながら努力していきますので、これからもよろしくお願いします。
さて、さて、お正月を迎えるにあたってひとつだけ気になるおはなし。例年この時期は、笑う門には福来るということでTVをつけると、どこのチャンネルでもお笑い番組一色で、その出演者よるプロフェッショナルな芸は、見ていてとても楽しいもの。もちろん、私もファンのひとりです。
でも、少しだけうがった見方をすれば、真剣な場面でおちゃらけることにスポットがあてられ過ぎている気がします。もちろん、それらはプロのお笑い芸人がおこなう計算された緊張と弛緩のアンバランスが笑いを誘うのですが、その内面の分からない子どもが、それらを美化してしまうことに一種の危うさを覚えてしまいます。ただでさえ興奮しやすい子どもたちに、ふざける(ふざけているように見える)ことや人前でおちゃらけることが多くの人から評価されるように見えてしまうのですから。笑いに包まれることで。
ただ、その一方で、人を和ませるとか楽しくさせることは、集団や社会のなかでとても大切なコミュニケーションでもあり、上手にできることは豊かな資質でさえあることも確かです。だからこそ思うのは、それらと同時に育てなければならない、もう一つの感情があるということ。それは、人を笑わせることと相反する恥かしいという気持ち。その社会性は、幼いころからずっと大切に養われていくもの。赤ちゃんがおむつを交換するときでも保育園では気を使うくらいに、です。だって、成熟した周りの人に対する配慮は、大人になると品格と言われるものなるのですから。それに、人は正しい羞恥心を身に着けて、初めて真面目に馬鹿をやれるものなのです。きっと、ね。
いずれにしても、液晶画面を通して見るエンターテイメントの本当の楽しさが分かるのはもう少しだけ先のこと。今しばらくご辛抱あれ。