2012.05.01乳児の保育について【園長のひとり言】
マイナーな乳児保育についてのおはなし。この季節いつも気になるのは、子どもたちが保育園という新しい環境に慣れてくれるかということ。見知らぬ場所は、どうしても緊張や不安な気持ちを喚起してしまうもので、私たち大人でも、そうなのだから生まれたての息吹が親もとを離れていれば、なおさらです。
それを何とかするのが保育の力。なのですが、実は、どのような保育をするのかに決まりはなく、保育園によって違います。ただ伝統的というかスタンダードは、クラス単位で担任みんなが子どもたちを一斉に保育する、業界用語で一斉保育型と呼ばれるもの。赤ちゃんの時から、みんなでご飯を食べ、みんなで排泄をおこない、みんなでお昼寝。一見にぎやかで楽しそうに聞こえます。一見はね。
でも、この方法の良し悪しは、別として、皆さんご存知の通り、ここでは、そのような保育はしません。少なくとも乳児(0歳児から2歳児)の間は。たとえ業界のなかでマイノリティであっても、です。
それが、乳児の担当制という保育。それは、まだ自立へ向けてゆっくりと歩を進め始めたばかりの、そして生活リズムの個人差が大きい乳児に対して、特定の保育士が特定の子どもの育児(食事・排泄・睡眠など基本的な生活への援助)をするスタイル。もちろん、一人ひとりの発達や生活のリズムに合わせてね。だから、お昼ご飯やお昼寝、そしてオムツを交換する(排泄に誘う)タイミングが違うのです。
同じ大人が同じ子どもの日常へ密接に関わるというご家庭では当たり前のことでも、保育業界では、まだまだ非常識。そこに、たくさんの子どもがいるからという理由で、ね。
でも、私たちはたくさん子どもたちが集まる保育園、だからこそ、できる限り丁寧に保育したいと考えています。その丁寧さとは、子どもの昨日と今日の小さな違いが分かるくらい。その未来へ豊かなアプローチをするために。