新着情報新着情報

なごみこども園 ホーム新着情報園長のひとり言乳幼児教育の哲学 【園長のひとり言】

2012.11.07乳幼児教育の哲学 【園長のひとり言】

読書の秋。かなり遅ればせながら読んだ横山秀夫の「半落ち」は、ミステリとしてではなく、その描かれた人間模様が秀逸で、繋がりのなかでこそ人は生きられるという意味を改めて感じる作品でした。
小説の話は置いといて、人と人とが繋がるという状況は、例えば、胎児とお母さんが生理的にも結びついていることを考えれば大人の側からと子どもの側から見るのとでは質的に異なることが分かります。もちろん、生まれてからもそう。栄養の摂取から始まって、生活のほとんど全てを周りの大人から助けてもらわないと生きられない小さな命にとっては、文字通りその繋がりこそが生命線です。ただ、ここがミソなのですが、その愛情を深く自覚するのには、かなりの時間を要するということ。乳幼児期の我がまま放題は朝飯前で、思春期に、親の存在を疎ましく思ったり、心もとない言葉を口にしたりすることがあるくらいに、ね。
でも、その無自覚中の温かな体験が、子ども時代を卒業する時に成熟した関係の源となります。守られる側から守る側への変化を伴って。尽くすと言い換えてもいいかもしれません。それは自身の子育てだけに留まらず、さまざまな役割から他者やひいては社会のためへと対象をより大きくしていきます。しかも、それらのことに喜びや幸福を感じながら、です。
少し抽象的な言い回しをしましたが単純に言うと、大人にとっての生きがいとは、自分のためではなく、他者のために生きるということ。家族のために、仕事を通していろいろな人や社会のために、などなど。もっとも大人になったからといって助けられることがなくなるわけではありません。よりたくさんの人と互いに支え合う、つまり繋がっていきます。
だから、もし子どもたちの将来に何を願うかを問われたなら、迷わず答えます。「自分の個性を活かして人のために生きられる大人になってもらいたい」、と。流行の早期教育とか右脳なんとかで個人の技能を磨くよりも、できる限りの丁寧な育児や遊びを通しての豊かな人間関係に重きをおくのは、そういうこと。
小学校より、もっともっと先にある未来を見据えていたいから。

新着情報の一覧に戻る

書類送付先

なごみこども園 採用担当 
〒433-8105
静岡県浜松市中央区三方原町1367-1

WEBでエントリー
(実習・見学希望の方もこちらから)

エントリー

お電話でのお問い合わせ

053-420-7530
PAGE TOP