2012.12.12音楽の教育 【園長のひとり言】
私自身は、苦手だけど保育園の音楽に関する教育についてのお話。だって低いガラガラ声での「わらべうた」は美しくないでしょう。
私的なことはさておき、なぜ「わらべうた」なのかということ。童謡でなくて、ね。その最大の理由は、子どもの発達にマッチしているから。それもそのはず、そもそもこの歌はさまざま地域で子どもの遊びのなかから生まれ、伝承されてきたもの。つまり、作詞、作曲が子ども自身なのです。それをコダーイ芸術教育研究所というところが系統化、体系化しました。
子どもたちによってつくられた、ということは当然使われている音階は日常会話のそれ、で専門的にはペンタトニックと言いますが、ド・レ・ミ・ソ・ラだけで構成されています。この音域の狭さが声帯の未成熟な子ども、特に乳児にとって適しているのです。誰もが上手に歌えるようになるのは、このためです。モットーは大きな声で元気よくではなく、きれいな声で美しく、です。
多くの保育園や幼稚園の各部屋にあるピアノがホールに1台しかないのは、そういう訳。黒い鍵盤楽器に合わせて、日常的に使わない音階を捻りだそうとすれば、声を張り上げるしかありませんから。それに、自分の声と楽器が重なり単旋律でなくなることで、聞き取ることが大変困難になります。専門家に言わせると1番やさしい2声のカノン(輪唱)を子どもたちが自分たちでできるようになるのでさえ、小学校1年生の後半になってからだそうです。
でも、日常的には、わらべうたを中心としていますが幼児クラスになると、時々は季節の童謡だって歌うし、ピアノだって使っています。ここが、音楽という感性的世界の難しいところ。まだ、わらべうた本格的に導入して3年目なので、もう少し勉強してから、そこについては考えようと思います。それまで、しばしお待ちを。ここは楽器の街、浜松ですし、ね。
ということで、今月の音楽会お楽しみに。欲目かもしれませんが、なごみの子どもたちの歌は、結構上手だと思います。