2013.07.01浜のモデル2【園長のひとり言】
先月の続きです。みんなで一緒にお昼ご飯を食べる保育園では、「どの子どもの生活リズムに合わせて昼食の時間を設定しているのでしょうか?」という問題の答えから。
答えは・・・どの子どもにも合わせない、です。
子どもの生活リズムに合わせるのではなく、お昼ご飯ができあがる、もしくは11時とか11時30分とか園が定めた時間にみんなで食べます。もちろん、赤ちゃんも。
ん、変ですか?でもコレ、保育園の常識。一斉保育と名前が付いているくらいです。幼稚園や小学校も同じ時間にお昼ご飯(給食)を食べるから、あまり疑問を持たないのかもしれません。
でも、ね。これは、大きな間違い。学校のように教育だけを目的にしているところはいいです。教育だけ、というと語弊があるかもしれませんが就労支援という要素がないという意味。100%または、一部税金で運営しているけど。ただその分、当園や登校時間が一律なので、子どもたちはほとんど同じ時間に集まるから、あとはご家庭の責任となります。
その昔、今ほど就労形態が多様化していない時代は、保育園もそれで良かった。8時-17時の勤務時間を想定していれば、ね。
ただ、今の社会構造を考えれば、そんなことはありえません。だから、当法人の保育園は乳児期のみんなで一緒にという和気あいあい風スタイルを捨てました。10年前に。
お腹が減っているのに食べられないことも、空腹でないのに食べなければならないことも乳児には、とても辛いことです。睡眠や排せつも同じ。生理的発達が未成熟であればあるほど、私たち保育者は、一人ひとりの子どもの生活リズムに寄り添っていかなければなりません。
確かに、待機児童の対策は必要です。でも、一斉保育という大人の都合で合理化された仕組みが未だにスタンダードであり、社会の変化についていけてないなかで保育園の数だけが増えていくことへ危機感を覚えてしまいます。
あ、それから。もちろん「和気あいあい」とか「みんなで一緒に」という体験は大切です。が、乳児期は協応運動(二つの別々の動きを同時にする「~シナガラ、~スル」)とか自我が未成熟なので、友だちと楽しみナガラ食事をスルということが、そもそもできないのでご安心を。