2014.06.03福祉&教育>Football 【園長のひとり言】
4年に1度サッカーの世界一を決める大会、FIFAワールドカップ。オリンピックより胸躍る祭典がいよいよ今月12日から開催されます。しかも、今回は過去最多5度の優勝を誇るサッカー王国ブラジルでの戦いということもあり、カナリア軍団がとてつもないインパクトを残してくれそうな予感がします。ネイマール(バルセロナ)とかオスカル(チェルシー)とか、ね。
でも、少し様子がおかしい。自国優勝を願い南米では、サンバのドラムをたたきながらの大盛り上がりとなっているはずが、何やらW杯を開催することにさえ消極的という話。サッカーを国技としているあの国で、です。
昨年の予備大会であるコンフェデレーションズ杯をきっかけに広まったデモは、全土で100万人を超える大規模なものに発展し、大会を直前に控えた5月にもサンパウロやリオデジャネイロなど各都市で「W杯反対デモ」がおこり、一部が暴徒化しています。
その大きな要因は、アメリカの政策転換にともなう経済不安によるものだと思いますが、あるブラジルの調査会社によれば国民の80.2%が、W杯開催のために投じられる多額の資金は教育や医療、福祉に使われるべきだと考えているというのです。
確かに、サッカー選手や関係者を除けば、ほとんどの国民にとって、それは娯楽であり、日常の生活がままならないのに非日常的なものへ情熱を注ぐことは極めて難しいし、大会による経済効果の恩恵を期待する余裕さえないかもしれない。
少し違いますが保育園で、情緒の安定なしに、どんな遊びも子どもたちにとって意味をなさないのと似ています。子どもの遊びは、娯楽ではないけれどね。
いずれにしても福祉や教育は、国の施策として副次的なものではなく、その充実は主要な目的とならなければならないってこと。
あ、そう言えば、子育てや教育に対する予算がGDP比で先進主要国のなかで最も低かった我が国も、ようやく消費税を増税して新たな子育て支援策を2015年から実施します。未だ予算の60%しか財源が確保されておらず、当初予定していた様々なことをペンディングしたまま見切り発車しそうな感じだけど、待機児童や少子化などの喫緊の問題を打開するための起爆剤になること願うばかり。
そして地球の反対側でも、ここまできたらもうキャプテンのチアゴ・シウバが黄金色のトロフィーを掲げるしかありません。